基板故障で起動できない、SONYのスマートフォンXPERIA SOL25からのデータ復旧作業を行いました。
起動できれば、USBケーブルでパソコンと接続して、共有フォルダのデータを抜くだけでOKですが、起動しないスマホからのデータ復旧は結構大変です。
弊社でのデータ復旧は、スマホのバッテリーを変えて一時的に起動させてデータを抜くとか、画面を変えてデータを抜くとかの手法ではデータが出せない重度の基板障害が対象のデータ復旧となります。他店でまず無理と言われた重度障害のスマホから、データを復旧致します。
スマホは機種変するという前提で、分解してメインの基板を取り出します。
電池パックを固定している両面テープは引っ張ると伸びて外れるように工夫されているのですが、きちんと外れた試しがない・・・。いつも途中でちぎれてしまい、結局ヘラで無理やりはがすことに・・・。
取り出したメイン基板にデータが保存されています。昔は電池を取るとデータが消えるよ、なんて言われることもありましたが、今のデータはeMMCメモリに保存されていて、消えることはありません。
画像中央、基板の端にあるICが、eMMCメモリです。
型番が、THGBMBG8D4KBAIRという32GBのNAND型フラッシュメモリが搭載されていました。
それにしても小型になったものです。11.5mm×13mm×1mmで32GBの容量があります。
弊社自慢のリフロー装置でこのフラッシュメモリチップを取り外します。
基板から無事取り外せました。
取り外したフラッシュメモリは、接着剤が付いているので、きれいに除去して、端子にはんだメッキを施しておきます。
そして、リニューアルしたばかりの最新の復旧装置にてデータを読み出すだけですが、データの保存先がなかなか見つかりません。
Androidスマホのフラッシュメモリの中には、ドライブが26個も存在していました。そのうちの一番最後のドライブに(Linux)Filesystem data – userdata 領域がありました。
さらに、フォルダツリーを探していくと、mediaというフォルダのさらに奥底にユーザーデータを発見!DCIMフォルダを確認すると、画像データがしっかり保存されていました。
データの破損は無く、100%のデータが取り出し出来ました。
フラッシュメモリーの破損の場合は、難しいのですが、基板不良や落下、車に踏まれたなどの致命的な破損でもデータの復旧の可能性は十分にあります。ご相談ください。
PCアシスト 金子泰春