少し前のパソコンになりますが、NECのPC-LL550LGノートパソコンで画面が真っ暗で起動してこない症状を修理しました。
ファンが回って電源のランプは点灯しますが、画面が真っ暗の状態です。薄っすらとも表示されません。
グラフィックICの不良に良くある症状です。
今回のグラフィックICは、ATI Radeon X1200(AMD M690V チップセット)というもので、WindowsVistaのノートパソコンや一体型PCに搭載されていることが多いICです。
富士通のNF/G40やE40、E30などでは、AMD M880Gチップセットが搭載されており、こちらは毎月数台はICの貼り替え修理を行っておりますが、今回のM690Vチップセットは依頼されることが少ない機種です。
NF/G40の場合は、古いグラフィックICを取り外すのに440度のリフローで4分もあれば取り外せるのですが、今回のPC-LL550LGの場合は、マザーボードの厚みも厚く、マザーボードのグランド経由での放熱性能が良くなっているようで、同じ温度で外そうとしていますが、3倍の12分もかかって取り外します。
マザーボードの回路を破損しないように慎重に古いグラフィックICを取り外し、それから古い半田を一度除去します。
薬品を使って、フラックス等も綺麗に掃除をしてから再度半田メッキを行います。
フラックスを塗布して、新しいグラフィックICを乗せて位置合わせを行います。このとき少しぐらいずれていても表面張力でピッタリになるのですが、そうはわかっていても何度も位置合わせを行ってピッタリ合わせます。まぁ性分ってやつでしょうか。
リフロー装置は、スイッチONで後は自動でプログラム通りの温度設定でBGAの半田付けを行ってくれます。誰がやっても成功するので難しい技術は必要ありません。
グラフィックICが新品になって、生まれ変わったパソコンは、綺麗に画面が表示されていつものように起動してくれました。